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打撃動作による障害
打撃動作による障害は、腰、肘、手、手関節が多い。
このうち、51%が手・手関節 11%が腹部 8%が腰部というデータがある。
①有鉤骨骨折
(小指球、有鉤骨鈎部の圧痛)
手根骨(腕骨ともいう。8個の短骨の総称)
の一つで、骨折自体は希。
手関節背屈位で転倒し、手をつくなど、また
バット、ラケット、クラブのグリップの衝突
などでも発生する。
野球ではくり返すストレスだけでなく、
ファールチップの際にグリップエンドが
小指球に衝突し骨折することもある。
アウトコースのボールを無理にうちに行くと
手関節掌屈が強くなり骨折の原因を強める。
アウトコースのボールをすくい上げるように打つこのようなスイングで受傷しやすい。
(有鉤骨と有鉤骨の鉤は一体でなく骨梁構造で脆弱である。)
骨梁=骨の海綿質の網目構造のこと
②手部・手関節障害
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体)
(遠位橈尺関節、尺骨頭背屈遠位の圧痛
手関節背屈位における軸圧痛、回内回外
運動痛)
主に尺骨三角骨靭帯、尺骨月状骨靭帯、
掌側橈尺靭帯、背側橈尺靭帯、関節円板、
尺側側副靱帯、三角靱帯からなる。
打撃では、ヘッドが下がった状態でスイン
グすると有鉤骨、TFCCに障害を生じやす
い。
保存療法が最優先され、超音波治療・鍼治療などは有効。
骨接合術なども選択される場合がある。
有鉤骨の鉤骨折ではアスリートの場合早期復帰、また再発の可能性を考え切除を行う場合が多い。
③尺側手根伸筋腱炎
(尺側手根伸筋に沿った腫脹と圧痛)
(ECU=extensor carpi ulnaris temdinitis腱炎)
前腕回外回内運動の繰り返し(野球、ゴルフ、
剣道など)手関節尺屈をくり返し生じる。
尺側手根伸筋腱脱臼は、尺骨茎状突起を超え
て尺側に脱臼するが,回内により容易に整復
される.。脱臼時には疼痛を感じ重量物を持つ
ことができなくなる。また、皮下に脱臼腱を
触れることができる。
いずれも、合掌肢位で回外すると疼痛がある。
④腰部の障害
腰椎分離症および腰痛
要因
⑴ステップ脚での股関節内旋運動により
骨盤の回旋運動が制限され、
脊柱の回旋運動をより増加させる。
*ステップ脚が壁となり、股関節(骨盤)の内旋がこれ以上とれずに腰椎で回旋運動を起こそうとする。
腰椎にストレスの増加を起こせば、
腰椎分離症・腰痛の発症リスクが
高くなる。
⑵骨盤が後傾位にある場合。
後傾位は回旋を制限する。
⑶体幹筋の筋力低下
運動の連続性が損なわれ、腰椎に
ストレスがかかる。
特に腹斜筋の筋力低下。
(スイングパフォーマンスの低下も起こる)
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